AIがホームページを自動で作る時代に、それでも「集客」できない理由
AIでホームページが”秒”で作れる時代になった
生成AIの登場で、ウェブ制作の世界が大きく変わりつつあります。
SNSで見かけて驚いたのが、Googleマップからウェブサイトを持っていない企業を自動で検出し、ホームページを生成、そのまま営業メールまで送って次のターゲットへ巡回していく――そんな完全自動化ツール。
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また、AIを使い安価な料金でサイトを作ってサブスクで運用するサービスも出てきています。
すごい時代になりました。
でも、結論から言います。これでは集客できません。
そして今後も、AIが「集客できるホームページ」を自動で作れるようになることは、おそらくないでしょう。
もし集客を目的にホームページの作成を考えているなら、期待と現実のギャップにがっかりしてしまうかもしれません。一方で、店名で検索してくれるお客様への「名刺代わり」としてのホームページであれば、十分に価値があります。むしろ作ることをおすすめします。
では、なぜ「ホームページを作っただけ」では集客につながらないのか。その背景を整理してみましょう。
検索結果から「個人」が消えている
ここ数年、Google検索で個人ブログを見かけることがほとんどなくなりました。
これはブログに限った話ではありません。地域の飲食店や美容室など、個人経営でSEOに力を入れていないお店のサイトも、検索結果から姿を消しつつあります。
原因は複合的ですが、難しい専門的な話はここでは割愛、大きくは次の2つです。
SEOの難易度が格段に上がった
Googleが評価する軸は年々増え、公式ガイドラインに沿った「正攻法」だけでは上位表示が難しくなっています。求められるのは知識だけではなく、技術と経験。しかもGoogleのアルゴリズムはブラックボックスである以上、個人で対応できるレベルをとうに超えています。
下記、Googleが提供するSEOをはじめる人に向けたスターターガイドを見れば、その複雑さが分かるかと思います。
参考資料:SEOスターターガイド(Google 検索セントラル ブログ)
「何を言っているか」より「誰が言っているか」の時代
生成AIがそれなりの品質の記事を大量に生み出すようになり、ウェブ上は情報であふれました。その結果、Googleは情報の質だけでなく、発信者の信頼性を重視するようになっています。
Googleはホームページの運営者を信頼できるかどうか、あらゆる情報を相対的に絶対的に見て判断しています。それは一中一夜で対策できるものではなく、日々の積み重ねで築き上げて証明するものです。人と同じですね。
企業の実態、運営者の専門性、サイト全体の充実度――こうした「信頼のシグナル」が弱いサイトは順位が下がり、逆に信頼性の高いサイトは上昇する。そんな二極化が進んでいます。
このことを専門用語では大きくひっくるめてEEATと呼んでいます。
参考資料:品質評価ガイドラインの最新情報: E-E-A-T を導入(Google 検索セントラル ブログ)
ホームページを作っただけでは、もう戦えない
こうした背景から、ホームページを作っただけでは検索順位は上がりにくく、結果として「名刺」としてしか機能していないサイトが大半というのが現状です。
名刺としての役割で十分であれば、それはそれで正解です。
ただ、「集客できるからホームページを作ろう」という安易な期待でご相談をいただくこともあります。
そういった場合、私は競合分析やサイトのポテンシャル、キーワード戦略を徹底的に精査した上で、集客できるまでにかかるコストや想定客単価をシミュレーションし、「費用対効果が合わない」と判断すれば正直にお伝えすることもあります。
SEOは中長期的に段階的に順位を上げていくものであり、かつてのように放っておくだけで集客できるツールではなくなってきています。その前提を踏まえた上で、広告運用やMEO(Googleマップ対策)、またはSNS発信のほうが集客できる可能性があります、とお伝えすることもあります。
ガッカリされるお客様もいらっしゃいますが、お客様の予算と時間を最も成果が出るところに使っていただきたいため、正直にお伝えするようにしています。
キューブリックが目指すのは自社の利益の最大化ではなく、ご依頼いただいた事業者様の利益を最大化するために誠実に動くことだからです。
AIにはできない「マーケターの仕事」がある
ウェブマーケティングの広い視点で見ても、AIの限界は明確です。
たとえば広告運用。AIが機械的に生成した当たり障りのないキーワードでそのまま出稿する広告より、人間が考えた意外な切り口の広告のほうが、はるかに成果が出やすいのが実情です。
潜在的なニーズを深掘りし、別の視点から訴求ポイントを見つけ出す。こうした作業は、大衆的で中立的な回答を生成するAIの構造とは本質的に相容れません。
仮にAIがパーソナライズされた提案をするようになったとしても、それは人間のマーケターの表面だけを模倣した、いびつな存在にしかならないと私は見ています。
AIがどれだけ進化しようが、人間のことは体と心をもった人間が1番よく分かっているということですね。
「検索する」という行動自体が変わりつつある
もうひとつ見逃せない変化があります。
そもそも、人が「ググる」回数自体が減りつつあるということ。AIチャットに質問して課題を解決する人が増え、検索ユーザーは減少傾向にあります。検索する人が減り、さらに順位も上がりにくい。ホームページ単体での集客は、ますます厳しくなっていくでしょう。
だからこそ、総合的な支援が必要な時代
時代がこう変わっていくからこそ、私たちのようなウェブに精通するマーケターは、ホームページ制作だけにとどまらない総合的な集客支援力を高めていかなければならないと考えています。
SEO、MEO、SNS運用、広告戦略、ブランディング――お客様のビジネスに本当に効く施策を見極め、限られたリソースを最適に配分する。それが、AI時代におけるウェブマーケターの価値だと信じています。
ホームページを「作る」ことがゴールではなく、お客様の集客を「伸ばす」ことがゴール。その視点でお手伝いできればと思っています。
